うつ病になった人にしかわからない事を何とか伝えてみる
うつ病が酷い状態になると何もできなくなる。
ぼくがここ数日まさにその状態だったけど、身近に居る人には全く理解されないでとても苦しかった。
世の中には、家族や身近な人の苦しみを少しでも理解したいと思う人の方が多いと思う。
そんな人がたまたまここにたどり着いてくれて、ほんのちょびっとでも良いから鬱の苦しさを理解する手助けになったら嬉しいと思う。
何もできないってどんな状況?
うつ病の”何もできない”状態を”何もしていない”状態と混同されがちだけど、この二つは全然違う。
似て非なる物とかではなく、全く種類が違う。
鬱の人に頑張れって言っちゃダメ!っていうのをポロポロ見るけど、それがなぜだか理解出来たら、何もできないと何もしていないの違いも分かると思う。
はっきり言って鬱は想像を絶するほどに苦しい。
わかる人にしかわからないだろうけど、尿路結石の疝痛発作なんてどうってことないと思えるほどに苦しい。
頭の中には常に考える気も無いのに、悲しさとか虚無感、酷い場合だと、死にたいっていう気持ちや、消えてしまいたいとか、生まれてきたくなかったっていう考えがどんどんあふれてくる。
そんな感情と戦っているから、もういっぱいいっぱいで他の事が”できない”。
そんなマイナスの考えと戦っているだけで限界なんです。
誰だって殺されそうになったら怖いと思うだろうけど、その相手が自分自信で、内側から常に自分に向かって攻撃してくる感じ。
殺されそうな状況で他の楽しい事を考えるなんてできないし、頑張れって言われても、もう逃げるのに必死で限界まで頑張っているから、これ以上”何もできない”んです。
頑張ればどうにかなるとか、無理していれば慣れて何とかなるなんて無理。
多分これでも軽い感じになってしまうけど、感覚的には上に書いたことに近い感じだと思います。
気付いたら上手く逃げ場を作ってあげてほしい
何でもやろうと思えばできるけど、”何もしていない”のと、何かしたい、どうにかしたいけど”何もできない”の違いが少しでも伝わったかな・・・
最近は学生の良くないニュースをポロポロ見る。
ぼくは、鬱になったのが大学の時で、うまく逃げる方向に行けたから今生きていられるんだと思う。
義務教育や高校などは、逃げる事が悪い事とされていると思うから、無理をする方向に頑張ってしまった結果、ニュースになるようなことになってしまうんだと思う。
ぼくが大人の当事者だから思う事は、学校なんてさっさと行くのを辞めればいいっていう事。
これも難しいのは凄くわかる。
ぼくだって今、働かないと!自立しないと!何でもいいから何かしないと!っていう強迫観念に駆られている。
これに似た感覚で、「学校は辛くても休んじゃダメ!」「学校をサボって行かないのは不良!」っていう感覚が学生の時にあった。
たぶん今の子や親の感覚でも上の感覚が根っこのところにあると思う。
ぼくの両親はぼくが鬱になった時全く気付いてはくれなかった。
病院に通い出してからもぼくがなぜ病院に通っているか知らなかった位だった。
最初に気づいてくれたのは親でも自分でもなく、大学の友人だった。
いきなり酷い鬱になって、それに自分で気付ける人はほとんどいないと思う。
けど、周りに居る人なら気づいてあげられるはずだと思う。
もしも自分の周りに居る人、友達や自分の子供が鬱かも?と思ったら、無理をしないで済む方向に、少し無理やりにでも引っ張ってあげてほしい。
少しでも頑張る元気があるうちに、頑張って逃げる方法を教えてあげてほしいと思う。
学校なんて行かなくても生きていける。
成人してしまうと驚くほど少なくなるけど、成人するまでに関しては、鬱や引きこもりのサポートはビックリするほど充実しているので、学校に行かずに勉強だってできるし、その気になれば居場所だって作れる。
そこから就職してするっと社会に出られる人だっている。
いなくなってから、あんな事言って無理させるんじゃなかったとか、ああしていれば・・・なんて思ってもどうしようもないから。
そんな風に思いました。