ギターとスケール・キーの話

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キーがわからないから弾けないのか、そもそも鳴らしているだけなのかっていうお話

「ギターを教えてやる!」という弾き語りの方が良く居るのですが、彼らがそもそもギターを弾けていないように思います。

特にぼくは歌に興味は無いですし、バッキング(伴奏)とソロ・リフを弾く人なのですが、それを解ったうえで弾けていないギターを押し付けてくる人が居ます。

セッションをする時はバッキングしないといけないので、そもそもギターのキーはわかった状態で始まります。

しかし、突然ギターを渡されて引かないといけない状態だったり、合わせてくれと言われて合わせる場合、曲のキーがわからない状態から始まる事が多いです。

ぼくはもともとキーとかがよくわからない人なので、音(伴奏)を聴いて頭に出てきた音を弾くのですが、その教えてくれるらしい型はキーがわからないと弾けないと言います。

ぼくはジャズ系が好きなのでジャズ系のバッキングをよくするのですが、Cメジャーの2・5・1・6だよと言っても、「キーがわからない」と言われてしまいます。

Cメジャーだと言っているし、2・5・1・6だよと進行まで伝えているのに不思議です。

ずっと不思議でしょうがなかったのですが、最近その謎が解けてきたので書いてみます。

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一つの進行の中で使えるスケールが変わるという事

この話は特にジャズの進行の話なので、興味が無い人は読まなくていいと思います。

ジャズはコードが変わるたびに構成音も使っているスケール(使える音)も変わります。

ロックという名のポップスだったり、普段耳にする曲はコードが変わっても一つのキー一つのスケールで音がなっていることが多いです。

例えば、CキーならCのメジャースケールだけ適当に慣らしていればどうにでもなります。(弾けているように見えます)

しかし、ジャズは進行の中でスケールが絶えず移り変わっているので、ただスケールをなぞって音を鳴らしているだけの弾けない人だと、「キーがわからない」という謎の現象が起きます。

例えば、Cメジャーの2・5・1・6だと、Cを1として考えた時に、2番目・5番目・1番目・6番目のコードを弾きます。

この時コードはDm7・G7・CM7・A7となるのですが、使えるスケールはだいたいはCのメジャースケールのように聞こえます。

ぼくはスケールがわからない人なので、ここから感覚的な話になるのですが・・・

まずCメジャースケールの音は、C・D・E・F・G・A・Bになります。

音は繰り返いどこまでも続いていくのでヘッドに近い方の6フレット分になります。

次に、コードとスケールのお話ですが、最初がDm7なのでDm7のスケールについて考えます。

ぼくはメジャーとマイナーのスケールしかわからないので感覚的な話になりますが、まずDm7の構成音を考えます。

Dメジャーのときのコードの構成音は、D(1)・F#(3)・A(5)になります。

これにm7の音を足します。

すると、3がマイナー(♭)になるので♭3に、それに7(♭7)の音を足して、D・F・A・Cになります。

この3→♭3とM7→♭7の音の変化をDメジャーのスケールに当てはめてみます。

Cメジャーと音の並びが同じです。

このようりょうでG7もGメジャーのスケールから、M7を♭7(m7)にすると、使える音がCメジャーと同じになります。

このように、複雑で訳が分からないように見えるジャズのコード進行も、一つずつの音で考えてみると、Cメジャーの構成音からコードを作ってスケールを使いやすくしたものだとわかります。

2・5・1なら同じおとに収まるのですが、これに6が加わると少し変化が出てきます。

ジャズの2・5・1・6だと上のルール的には、Dm7・G7・CM7・Am7になるのですが、変化を出す為なのか最後のAm7をA7に変えて進行を進めます。

Am7の場合Aマイナーのスケールを使うので、これもCメジャーと同じになるのですが、A7だとこの音がなっている時だけ使える音が変わってくるので面白くなってきます。

A7は、Aメジャーのスケールに、M7→♭7の変化を加えます。

Cメジャーにはない#の音が2つ入ってくる事が分かります。

A7の時はこのスケールで弾かないと若干違和感が出てきますし、他のコードの時にこのスケールの音を鳴らしてもおかしい事も感覚でわかると思います。

こういうことを考えながらアドリブをして行くわけですが、キーに合わせて音を”鳴らしているだけ”だと気づくことが出来ないと思います。

音を聴いて、それに合ったおかしくない音を思い浮かべて”弾ける”人なら、こういうことを意識せずにできていると思います。

音楽はわかればわかるほど面白くなりますよ

こういう変化を考えながら弾いていくと、使える音が同じでもコードが変わればフレーズが変わる事や、音を使う順番が変わる事もわかってきます。

そうするとギターがグッと楽しくなると思いますよ。

そういった変化も考えたり感じたりするにはジャズがわかりやすくて面白いと思います。

スケールの変化に、2度の音の組み合わせ、3度の音の組み合わせ、ペンタトニックを組み合わせたりすると、それだけで音の組み合わせは無限に広がるので、少し意識して見ると一気に世界が広がると思います。

たぶん上の話をよんで全く何もわからない場合、弾けていない可能性が高いので、とりあえず自分のギターの音を聴く練習をしてみるといいかもしれません・・・

有名なジャズミュージシャンの曲はどれも面白いのですが、グラントグリーンなんかは聴き易くて面白いしおすすめです。

ふと思ったそんな話でした。