モンゴルに住むユキヒョウ
ユキヒョウは岩だらけで崖だらけのアルタイ山脈に住んでいる。
狩りでアイベックスを捕まえて食べていたけど、当然毎日毎日食事にありつけるわけでもない。
ぼくは毎日ご飯を食べないと耐えられないけど、野生の肉食獣は毎日は食べられない。
この差について考えた。
そもそもユキヒョウってどんな感じ?
形はヒョウそのものな感じだけど、ヒョウと違って全体が白っぽい。
ヒョウは基本が黄色というか茶色というかな色に、黒いヒョウ柄が出ている。
ユキヒョウは灰色に近い色や白い色の中に、黒いヒョウ柄が出ている。
ヒョウ柄は本家のヒョウとは違って大き目で、もようどうしの感覚が大きくて、ざっくりしている。
ぼくが見たユキヒョウは大体こんな感じだった。
耳はちょっと小さめで丸っこく、目が大きい。
寒くて標高が高いところに住んでいるからか、ヒョウより毛が長めで、全体的にモコモコふわふわしている。
冬は雪が積もるような環境で生きているので、冬毛になるとモコモコふわふわ感が増して、すこしずんぐりむっくりになる。
牙と爪が無かったら、すぐにでも抱きしめたいような、ぬいぐるみのような外見だった。
食性は肉食で、アイベックスとか哺乳類を主に食べている。
ヒョウとは違って、ユキヒョウは人間は襲わないみたいだ。
毎日食べる事は贅沢なの?
ライオンやヒョウ、チーターなんかの肉食獣は、狩りに成功しないとご飯が食べられない。
当然数日や一週間以上ご飯が食べれらない事もある。
ぼくは引きこもって働けてもいないけど、毎日ご飯を食べて生活出来ている。
でも、この差は人間が雑食だからという部分も大きいと思う。
雑食なら肉が食べられない時は草や木の実、なんならその辺に居る虫を食べても消化して栄養が吸収できる。
移動手段の発達も食の充実には大きく影響していると思う。
車でチョチョッと川や海に行けば、魚を釣ったりカニを拾ったりできる。
ぼくが住んでいる場所は、山も海も遠くない位置にある。
家の周りを歩き回れば食べられる野草なんかいくらでも生えているし、秋になればドングリやシイの実も沢山落ちている。
近所の用水路には魚が沢山いるので、お金が無くても食べて生きて行くだけならいくらでも手段が考えられる。
しかし、そんなことしなくても毎日十分食べていける。
けど、ぼくの生活は決して贅沢な方ではない。
日本と世界の他の国を比べて、「日本は贅沢だ!」っていうけど、ぼくには日本と世界を比べる理由がわからない。
環境が違えば食生活も違って当たり前だと思うから。
どんな生き物でも住む場所や環境が違えば、食べるものも違えば食べられる頻度も違う。
砂漠に住む蛇と日本に住む蛇を比べて、「日本の蛇は贅沢だ!」とは言わない。
サバンナに住むおさるさんとニホンザルを比べて、「ニホンザルは冬に温泉なんかにつかって贅沢だ!」とも言わない。
でも、日本人と世界の別の場所に住む人を比べて、「日本人は贅沢だ!」とは言う。
どんな生き物だって、当然人間だって、住む環境に適応して生きているんだから、わざわざ比べる必要ないんじゃない?
ぼくがいきなりアフリカやアマゾンの奥地に放り込まれたら、まず生きて行けない。
多分逆も同じだ。
環境に適応しているってそういう事だと思う。